“Memoir”とは「自伝・回想録」のことです。著者が人生の一部を切り取って、そのときのことを振り返ったり、そのときに感じたことを書きあわらしています。
人生の分岐点になるような出来事(結婚、離婚、死、教育)などパーソナルな出来事がメインで書かれることが多く、著者自身の言葉でリアルに感じられるのが特徴と言えるでしょう。
ビジネス書や心理学書と比較すると平坦な言葉で書かれていることが多いので、これから洋書を読みたいという方にオススメのジャンルです。
また、Memoirのオーディオブックは、著者自身が朗読していることが多いので、よりリアルに感じたいという方はAudibleも試してみてはいかがでしょうか。
ここからは、私がオススメする自伝を紹介していきます。※随時更新!
この記事を書いている私は、これまでに洋書を100冊ほど読んできました。積読は30冊ほど。今も、月5冊くらい購入しています。自伝は、他人の人生を覗き見できるもの。洋書コレクターの私がオススメの自伝を紹介します!
オススメの自伝10選
“Becoming” by Michelle Obama (邦訳あり)
一冊目は、元ファーストレディのミシェル・オバマさん著の“Becoming”。
これは良い意味で裏切られる一冊と言ってよいのではないでしょうか。
華やかな肩書きとは裏腹に、挫折、悩み、葛藤を乗り越えて夢を叶える姿勢に、生きるヒントをもらえる一冊です。
意外だったのは、バラク・オバマさんが大統領選挙に立候補するのを最初は良く思っていなかったこと。
それでも応援、サポートし、当選した後もファーストレディとして8年間も社会に貢献し続けてきました。
知性が感じられつつもユーモアを交えた語りには、彼女の人柄が表れています。
“Educated” by Tara Westover (邦訳あり)
“Educated”は、教育を受ける大切さと、教育がもたらす可能性を痛感する一冊です。
著者であるタラ・ウェストオーバーは、現代医療を信じない父とハーバリストの母の元で育ちました。彼女や兄妹たちは義務教育を受けておらず、社会から自分たちを隔離して生活しています。
タラの世界観が変わるのは、彼女が17歳で大学に進学したとき。今まで知らなかった世界や知識が彼女を圧倒し、同時に周りとのカルチャーショックも明らかになります。
知識を追い求める彼女と、家族の間に生じる軋轢は読んでいて苦しくなりますが、人間関係や感情が生き生きと描かれているのではないでしょうか。
“Wild” by Cheryl Strayed (邦訳あり)
人生のどん底からはい上がり、自分探しの旅に出るのがシェリル・ストレイド著の“Wild”。
こちらは映画化もされている一冊です。
著者のシェリルは、20代前半にして離婚や母の死、ドラッグなど人生のどん底に追い込まれるような出来事を経験します。
そんな彼女が、自分を取り戻すためにアメリカを縦断する約6,000キロのトラッキングに挑戦。
自然の美しさや厳しさとともに、出会う人々の温かさにも触れることができます。
“Haben” by Haben Girma
タイトルの“Haben”でもある著者のハーベン・ギルマさんは、聴力と視力に障がいを抱えています。
しかし、それらの障がいが彼女の好奇心をとめることはありません。
マリでのボランティアやカレッジ生活を経て、ハーバード大学に入学し、障がい者の権利獲得のために奔走する。
そんな彼女からは、明るくユーモアを持つ雰囲気が感じられるとともに、挑戦と探究心に溢れた内面を知ることができます。
“Me, myself, they” by Joshua M. Ferguson
“Me, myself, they”は、LGBTQの教科書とも言える一冊です。
著者は、自身をノンバイナリー(男性でも女性でもない)であると公表しており、カナダで初めてXジェンダーを取得した人物です。日本人では、宇多田ヒカルさんがノンバイナリーだと公表していますね。
本書では、幼少期から現在に至るまでの著者の葛藤、いじめ、両親の反応や社会の変化が赤裸々に語られています。
LGBTQの人たちがどのように闘い、社会的地位を手に入れてきたのか記されており、LGBTQについて知りたい人にオススメの一冊になっています。
Audiobookでは、著者自身のゆっくりと落ち着いた声で聴くことができるので、リスニング練習にも良いですよ!
“Crying in H Mart” by Michelle Zauner
こちらは韓国系アメリカ人の著者による自伝。
母親の死がきっかけで、韓国人としてのルーツや韓国料理に目を向けるようになった過程が語られています。
音楽活動も行なっている著者なので、文章はリズミカルで読みやすいですよ。
“Into the planet” by Jill Heinerth (邦訳あり)
女性冒険家であり洞窟ダイバーでもある著者による一冊。
表紙の写真はとても綺麗ですが、そこからは想像できないほど常に危険と隣り合わせの水中洞窟探検。友人や同僚の死が描かれる場面も多く、リアルな探検家の目線で語られる体験談は読む価値あり!
また、男性が大多数を占める探検家・冒険家の世界で、女性としての地位を確立した過程も語られています。
“I’m glad my mom died” by Jennette McCurdy
2007年から2012年まで放送されたコメディ、iCarly(アイカーリー)でサム役を演じた女優さんによる一冊。
2022年で一番衝撃的な内容であるとともに、評価されている自伝と言えるでしょう。
子役から活躍してきた彼女ですが、女優としてのキャリアは彼女の母親の夢でした。娘に辛い生活を送ってほしくない、成功してほしいという思いから著者に演技を学ばせますが、その過程は虐待と取れるものも。
母親が亡くなり道筋を失った著者が、改めて自身の人生を見つめ直す一冊です。
ショッキングな内容が正直に語られているので、笑えない場面もあるかと思いますが、高評価を得るに値する一冊です。
“Inheritance” by Dani Shapiro
“Inheritance”は、ミステリー要素を含む自伝です。
ある日、偶然DNAテストを受けた著者は、衝撃の事実を知ることになります。それは、父親と血が繋がっていないということ。彼女の父親はすでに他界しており、本人に確かめる方法はありません。
今まで信じてきた自身のルーツや先祖から受け継いできた文化・慣習が、目の前で崩れ去る。ショックを受けながらも、本当の父親を探し始める著者。どのような結末を迎えるのか、ドキドキしながら読める一冊です。
“When breath becomes air” by Paul Kalanithi (邦訳あり)
医者として勉強過程を終えることが確定していて、これから成功を掴もうとした矢先、自身が肺ガンであることを知ることになります。
今までは医者としてトレーニングを受けたり、手術をしたりしていたのに、いきなり患者になってしまった。
著者はもう亡くなっているのですが、死ぬまでの日々を生き生きと描いた一冊です。
Audiobookでも利用可能
上記で紹介した本はすべて、Audibleで利用可能です。
通勤中に聴いてみたり、本を読んだ後にAudibleで聴きなおして意味を確認するなど、Audibleの使い方は無限大!オーディオブックはハッキリ発音してくれるので、リスニングやシャドーイングの練習にもオススメです。
特に、自伝は著者自身の声で語れていることが多いので、よりリアルに感じられます。
月額1,500円と、本一冊分の料金で聴き放題なのも嬉しいですね。
2ヶ月無料キャンペーンを開催中なので、ぜひ英語学習のツールとして使ってみてください。
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